■雨季の遺跡




ベリーズの季節は雨季と乾季に分かれている。
雨季は5月〜10月。
小田蘭が出かけた時期は、まさに雨季の真っ最中。

とは言え、日本の梅雨のようにしとしとと何日も降り続くことはなく、一定時間強烈に降って止むパターンが多い。
夜の間に降って、朝になって地面が濡れているのを見て雨が降ったんだと思ったり。
明け方に地面や窓をたたきつける大雨の音で目が覚めたり。
移動中に降られたけれど目的地に到着する頃には止んでいたり。
と、そこまで観光に支障がなかったのがありがたい。

ただ…。
日中出歩いている時に雨が降らなくても降る時にどわっと降るので雨量はそれなりに多く、この時期は川も増水する。
ハリケーンが来ようものなら被害も大きい。
なんたってそれで(ハリケーンの被害が続いて)首都が移転したくらいだ。
空港からダウンタウンに向かう途中に見かけた川も増水していた。

ベリーズにあるマヤ遺跡は川からアプローチする方が早い遺跡もあるので、雨季の増水は観光にそれなりに影響してくる。
実際、小田蘭も予定していた遺跡が雨季の増水の為にクローズしていて見学することができなかった。
サンイグナシオから車で20分ほどのシュナントニッチ遺跡は渡し船で車ごと川を渡って遺跡にエントリーするので、増水で渡し船が出ないとお手上げなのだった。
雨季で緑生い茂るジャングルの中の遺跡というのも大層素敵なのだけれど、クローズしているのでは仕方ない。

代わりに案内してもらったのは、ベリジャン・ブルー(ベリーズの青)と呼ばれる青い羽根を持つ蝶を繁殖させている施設だった。
卵から羽化するまでを一貫して育てているのだ。
青い羽根をした蝶が沢山飛んでいる様子は、それはもう見事だった。

その後、サン・イグナシオの町からも歩いていける距離にあるカハル・ペッチ遺跡を見学した。