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■ 死者の日 ■

2003年メキシコ


「死者の日」は11月1日と2日。
これは言わば、お盆とハロウィンが一緒になったようなお祭りだ。

カトリックでは11月1日が万聖節(諸聖人の記念日)、11月2日が万霊節(諸死者の記念日)だ。
万聖節というのは全ての聖人を讃え祝う日。
万霊節はまだ清められていない死者の魂を祈る日。
10月31日のハロウィンというのは、もともとは万聖節の前夜祭なのだ。

メキシコではキリスト教が伝わる以前にアステカ暦というものがあった。
20日の単位で現在の月にあたるものを設定している暦。
この暦の10番目の月が、死んだ子供達の為のお祭り。
その次の月が、大人の死者の為のお祭りだった。

キリスト教の祝祭日がメキシコ土着の文化と混ざり合う。
そしてメキシコの「死者の日」が出来上がったのだ。

「死者の日」はその名から想起されるおどろおどろしい雰囲気やしめっぽさは殆どない。
むしろ陽気で楽しい祭りとなっている。
死者が戻り、生者と楽しむ。
生者は死者を迎える準備をする。
オフレンダという祭壇を飾り、墓地ではそれぞれの墓が綺麗に飾り付けられる。
そして一晩中を墓地で過す。

この祭りが見たくて、あたしは、この時期にメキシコへやってきた。



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