「急げ〜〜〜!」 メキシコで全ての荷物を機内持ち込みにしておいて良かった、と思いながらサンフランシスコの空港を疾走する日本人2人。 メキシコからの帰国便はサンフランシスコ乗り継ぎだったのだけど・・・。 「なんでいきなりロスに降りちゃったんだろうね」 「もう、ホントだよ。ダイレクトにサンフランシスコに行く飛行機のはずだったのにさぁ。しかも乗り継ぎ便までそんなに時間ないってのにこれだよ〜」 メキシコで飛行機に乗り込む前、なんだかアナウンスで『遅れ』だの『ロスアンゼルス』だのと言っていたのが聞こえてきたんだよね。 心配になって桂さんが『私達はサンフランシスコで乗り継いで成田に行くんだ。大丈夫なのか』って聞いた時には『大丈夫』って返事だったし、機内でもロスに降りた時に乗務員に確認したら『他にも乗り継ぎの人はいるし、ちゃんと連絡はいっているから問題ない』って返事だった。 でもUAはそういう面ではあんまり信用できないのよ。 前に友達も似たようなことでUAの飛行機においていかれたことあったし。 サンフランシスコに着陸したのは、あたし達が乗る成田行きの出発30分前! んなの普通に考えて乗れる訳ないじゃん。 アメリカはトランジットだけでも出入国の手続きが必要なんだから。 メキシコで成田までのチェックインが済んでるんだから、そのまま素通りさせてくれてもいいのに〜〜〜。 入国審査では係員捕まえて「フライトが〜〜〜!」って言って優先的に審査を受けさせてもらい、税関も同じく通過。 チケットを見せたら『おおぅっ』って顔をして『あっちだよ、早くいきな』と指差して教えてくれたので、桂さんと2人で走る走る。 いやもう、飛行機を降りてから入国審査や税関まで、税関を抜けて搭乗口まで。ここまで走ったのは久し振りだわ。しかも荷物を持って。 でも搭乗口がイマイチ見つけづらかったの。 どっちに行ったら飛行機に乗れるんだーっ! インフォメーションのブースを見つけたからチケットを見せて聞いてみると『このまままっすぐ行って、2番の所だ』とかなんとか言っている。 よしっ、2番ね。 って、2番って一番奥の方じゃんかー。 またまた「走れーっ!」っとばたばた進んでいくと、なんだかここはチェックインカウンターみたい。 「あった! ここだ、2番!」 ぜぇぜぇしながらそこにいた空港職員にチケットを見せてどこに行ったらいいのか聞くと、その兄ちゃんはあたしらのチケットを持ったまま『ちょっと待ってて』とカウンターの奥へ消えていったのでした。 この時、離陸時間まで10分を切っていた。というか、着陸からここまで20分で来れちゃったことがすごいよ。 「ううぅ・・・。あの兄ちゃん中に入ったまま出てこないよー。もうあと5分になっちゃったよー」 「飛行機に連絡しにいってんのかなぁ」 やっと息が整ってきた頃に兄ちゃんが戻ってきた。 で、あたし達に戻されたチケットは・・・・・・。 『もうあの飛行機は飛んで行っちゃったから、次の便に変更しといたよ』 「は?!」 2人とも思わず声が揃って目がテン。 鳩が豆鉄砲くらったという表現はこういうものなのか、という状態です。 『うそっ! だって飛行機の中で大丈夫だって言われてたのに!』 『1時間半後にダイレクトで成田まで行くやつだから、この先のチェックを受けて102番のゲートに行ってね』 「は・・・はぁ・・・」 な、なんか、あと5分あるのに飛んでいっちゃったって? いや、多分もう離陸準備しているから乗れないよって意味なんだろうけど、でもそれってどういうこと? 大丈夫だって言うから全力疾走してきたのにーーー! まぁ、でもそうたいした遅れじゃなく帰れるんだし、いっか。 ・・・とね、よたよたとその近くにあった搭乗ゲートに向かう前の手荷物や自分のチェックに向かったのだけれど。 そうしたらそこで『メキシコからの乗り継ぎの方いませんか』って係員が呼んでるじゃないの! えええええ!!!? さっき飛行機振替えられちゃったよ! 乗れるんだったら予定便に乗って帰りたい! その係員に聞いてみても、当然振替えられたチケットじゃ乗れる訳もなく、慌ててさっきチケットを変更してくれた兄ちゃんを探しに戻ってももう彼はその周辺にはいなくて、カウンターの姉ちゃんに訳を話すも『その飛行機は飛んでしまったんだからもうムリよ』とのつれないお返事。 はうぅ〜〜〜。 も、いい。1時間半の遅れなんて普通に飛行機に乗っててもあるんだから、いいよ、この飛行機で。帰れるんだから。 そんなこんなで、再度よろよろと手荷物チェックに向かったのでした。 これが飛行機に乗り遅れた顛末です。 |