エジプトでよく使われている交通機関はやはりセルビス。 だけど、ルートや言葉が分からない観光客としてはちょっと使いづらいので、短期旅行者がお世話になるのはやっぱりタクシーが多くなる。 カイロ中心部にはメトロも走っているので主要な場所ならメトロと徒歩で回ることも可能だけれど、空港への行き来やメトロの駅から離れた場所への移動等、地元の人でもタクシーの利用は意外と多い。 以前はメーターがついているタクシーは殆どなく乗る前に行き先を告げて金額を確認して、とタクシーに乗るのも一苦労だったが、5年ぶりのカイロにはメータータクシーが随分多くなった。 空港から旅友おろちゃんが捕まえたタクシーも白い塗装のメータータクシーだった。 白いタクシーを略して白タク。 白タクというと観光客をボッたくる違法営業で悪質なタクシーを指す言葉だと思われるけれど、エジプトでのそれは意味が違ってくる。 白いメータータクシーが走っていなくてメーターのないタクシーに乗らざるを得ず、降りる時に揉めていたら通りがかった英語の話せるエジプト人青年が間に入ってくれ、『白いタクシーを使わないとダメだよ』とアドバイスをもらったこともあった。 しかし、白いタクシーでメーターがついているといっても安心してはいけないのがエジプトだ。 おろちゃんのシェアメイトは白いメータータクシーに乗ったにもかかわらずメーターが壊れていると言われ、見ると確かにメーターから伸びる線がちぎれて機能していなかった。 当然のようにドライバーの言い値と相場の金額で闘いが始まったらしい。 更に侮れないのが目的地をよく知らなくても客を乗せてしまうことが多いということ。 メキシコでもよくあることだけれど、道を聞くと知らないのに教えてくれようとするから大変なことになる。 知らないなら「知らない」って言ってくれた方がありがたいんだけどなぁ。 エジプトのメータータクシーに乗って2度ほど経験したのは、おおよその場所まで来るとドライバーが窓を開けて周りにいる人に声をかけて目的地を探すというパターンだ。 乗り込む時は『大丈夫。知ってるよ』という感じで乗せるのだけど、そろそろかなー…という所で窓を開けて周りに声をかけだすのだ。 あー…、やっぱりか。 しかしまぁ、メキシコで知らないのに案内してくれようとしたり、エジプトや中近東でも道を聞くと周りの人まで巻き込んで知ってる人を探し出して教えようとしてくれたりするのはなんというか、憎めないんだけどね。 それにも増して今回気になったのが、空港からの移動でメータータクシーに乗ってまず目についた何かの動物が走っている表示。 どうしても写真に撮りたくて、帰国の空港へ向かうタクシーでついに撮影に成功したこのデジタル表示のメーター料金表示。 車の走るスピードに合わせて馬だか犬だかなんだかの動物の足が動くのだ。 おろちゃんがドライバーに聞いてくれたところによると馬らしいのだけど、車がゆっくり動いている時はこの馬の脚がステップを踏むように、スピードを出して走っている時は馬の脚の動きが見えないくらいの速さで動く。 なんでこんなあんまり意味のない所に凝るんだよエジプト〜(笑)。 ますますエジプトが好きになった瞬間だったのは間違いない。 そして今回は在住の旅友と行動することが多かったのでセルビスにも度々乗った。 滞在期間も1年が経過し、アラビア語でコミュニケーションが取れるようになったおろちゃんが一緒だったからこそ乗る機会が多かったセルビス。 セルビスは基本的なルートが決まっていて、自分が行きたい目的地周辺を走る車に乗れれば安いし便利な乗り物なのだけれど…。 いかんせんアラビア語は数字でさえ脳内変換の一瞬を経ないといけない状態では敷居が高い。 10年ほど前のシリア旅行ではそれしか交通機関がない場所でけいさんと何度かチャレンジしたことはあるけれど、混雑している時は一斉に群がって我先にと乗り込むので押し負けて乗り逃してしまうことも多かった。 今回のエジプトではそこまで大変なセルビスに乗ることは少なかったけれど、それでもやはり現地に慣れた人がいるのは大変心強いものなのだ。 更に、もっと小回りが利いて短い距離を走っているのが、三輪でお客はMAX3人までがギリギリのトクトク。 アジアではよく見かけたけれどエジプトにも走っていたのか、と驚いたのはエジプト人が暮らすローカルな町フェイサルへ行った時だった。 メトロのフェイサル駅周辺を頻繁に走っているのがこの小型のオート三輪だ。 ドライバーに資格などはないのか、見た目まったくの子供までも運転していることもある。 ドアはなく舗装されていないデコボコ道も土埃を上げて走っていく地元密着型の乗り物だ。 あぁ、そういえばシーワでロバ車なんてものもあったっけ。 やはりエジプトは一筋縄ではいかないな。 last update / 2012.11.12 |
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