久しぶりの砂漠。 砂漠に行くのは2006年にチュニジアでサハラ砂漠に行って以来だ。 今回行ってきたのはエジプトの西、リビアにほど近いシーワオアシス。 砂漠というのは都市部から離れていることが多く、公共交通がある訳でもないので「行こう!」と思ってもそう簡単には行けない。 都市部から出ているツアーに乗っかるか、最寄りのオアシス都市まで行って現地ツアーに参加するか、車をチャーターするか。 私たちは夜行バスでシーワ・オアシスまで行って、投宿した宿でいろいろとアレンジしてもらった。 (そのことは「シーワ」参照) 砂漠に出かけたのは夜行バスで到着したその日の夕方だ。 その日の午前中にアレンジしてもらって数時間後の出発ではさすがに人数が集まらなかったようで、ジープに乗りこんだのは私たち2名だけでプライベートツアーとなった。 ドライバーはベテランっぽいオヤジだ。 雑貨屋のような所で水や何かを調達した後、シーワのオアシスを出て砂漠を目指す。 シーワ・オアシスは小さな町なので中心を抜けるとすぐに建物もまばらな茶色の大地になる。 そうして暫く車を走らせていると、前方に砂丘が見えてきた。 砂漠だ、砂漠! 住んでいる人達には厳しい自然なのだろうけれど、私たちのような観光客にはわくわくするような砂の大地が広がっている。 砂漠の入り口にはまだ所々に草のようなものが生えていたり岩や砂礫が見られるけれど、いくつか砂の山を越えて行くとすぐにサラサラの砂ばかりの大地になる。 気を付けないとタイヤが砂にハマってしまって動けなくなることもあるのでドライバーは要注意だ。 ふと見ると、前方に砂丘の途中で1台のジープがボンネットを開けて止まっている。 乗っていた観光客は砂丘を上へと歩いているけれど、ドライバーらしきこちらの男性が車の周りで作業中だ。 私たちが乗っていたジープのドライバーが降りて彼らを助けに行き、私たちも降りてさっそく砂丘を登っていく。 ここまでくれば回りは砂ばかり。 降りるとさっそく小田欄はサンダルを脱いで裸足になり、素足で砂丘を登っていく。 足の指の間を乾いた砂がすり抜けて行くこの感覚も久しぶりだ。 砂砂漠では靴下にスニーカーでは靴下の中まで砂が入りこんでしまうので、いっそのこと裸足になってしまった方が何倍も気持ちがいいし、宿に戻った後のお土産(靴の中に入り込んでしまう砂)も少なくてすむ。 止まっていたジープは程無く動くようになり、私たちも次へと進む。 私たちが車内から写真を撮ろうとしたり、止まって欲しいと思った所でタイミング良く止まってくれるのがベテランたる所以だろう。 途中で打ち捨てられているような枯れ木を拾って車の屋根に乗せていたのは、この後で夕日を見ながらお茶を用意してくれる時の火種にする為だ。 砂漠の中にある冷たい湖では他の混成ツアーの人達とも一緒になり、そこでゆったりしてお茶を飲んでいた家族からはレモングラスのような葉の入ったフレーバードティをご馳走になる。 続いて寄った温かいお湯の出る泉でも先ほどのツアーの車と一緒になり、そちらに参加していた韓国の青年と少し話をしたのだけれど、基本的には友人以外に殆ど東洋人を見かけない今回のエジプト旅行だった。 韓国の青年によれば、カイロで泊っていた安宿には日本人が沢山いたということだけれど、カイロでも日本人旅行者を見かけることはなかったのにそういう人達はどこを回っているのだろうか。 泉を2つ回り、ジェットコースターのような砂丘の上り下りも体験しながら、その昔この辺り一帯が海の側だったことをうかがわせるような貝殻が多くみられる場所にも連れて行ってくれた。 夕日の頃には大きな砂丘の側に車を止めて火を起こしてシャイの用意をしてくれて、その間に私たちは砂丘をよじ登って夕日を眺めるのだ。 ここで食事を食べることもできるのだけど、私たちは食事なしのお茶のみでお願いしていた。 日が落ちて暗くなっている砂漠の真ん中で焚火の明かりでお茶を飲み、殻付のピーナッツを食べる。 ピーナッツの殻と皮はそのまま焚火の中に投入すればゴミも出ない。 やがてあたりは暗くなり、空を見上げると満点の星空だ。 last update / 2013.01.03 |
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