04■衣装














小田蘭は2007年からベリーダンスを習っている。
そう、腰やお腹や胸や頭をそれぞれパーツごとに動かし、アラビアンナイトの世界で優雅に妖艶にしなやかに踊る見た目もセクシーな踊りだ。

ところがこれが、見るとやるとは大違い。
最初についた先生の美人っぷりとナイスバディなのに素晴らしい腹筋の割れ具合に驚き、その腹筋から繰り出される腰の動きに感動し(繰り出されって、格闘技か(笑))、次のレベルに進んだ時の先生には全体のしなやかな動きと胸の動きの柔軟さに惚れ、また1つレベルを上げた今はオリエンタルだけではないベリーダンスの奥の深さにハマリこんだ。
しかしまだまだ私の体の各パーツの動きは甘い・・・。
どうやったらあんなにお腹が動くんだろう。

そもそも幼少の頃はクラシックバレエを習っていた小田蘭が、ここへきて何かまた踊りを始めたいと思った時に気になっていたのはラテンダンスかフラメンコかベリーダンス。
ラテンダンスはパートーナーが必要な踊りだから敷居が高い。
フラメンコはレッスンするにも必要なものが多そうだ。
その点ベリーダンスは裸足で踊るし、ヒップスカーフというコインのついた腰巻きスカーフがあればストレッチパンツにTシャツやキャミソールでOKだ。
友人にもベリーダンスを習っている人がいたことも大きかった。

そんなこんなでベリーダンスを習い始めた小田蘭が、2007年夏に出かけた旅先がエジプト。
私より先にベリーダンスを習っている友人達と現地合流しての旅だったので、向こうではエジプト製本場のヒップスカーフやジル(指にはめて踊りながら打ち鳴らす小さなシンバル)を買ってきた。
そして今度はトルコだ。
トルコもベリーダンスでは本場と言われる国。
もちろんそれが目当てで行った訳ではないのだけれど、行くからにはベリーダンス用品も買ってこようじゃないかと思うのは当然だろう。

ベリーダンスを初めて1年半。
この間にベリーダンス季刊誌も創刊され、ベリーダンスもだいぶ普通に知られるようになってきた。
そういういろんな情報から、トルコでベリーダンス衣装を扱うショップについても知ることができた。
中でもBellaというショップがベリーダンサー達の憧れなのだとか。
確かにネットショップや踊っている人の写真を見ても、Bellaの衣装は一味違う。
なんというか、衣装の完成度やラインやビーズ使いがとっても綺麗なのだ。
これは是非一度直接見てみたいものだ。
日本で入手するにはトルコ直輸入ということもあって結構なお値段がするけれども、トルコのお店では初心者向けなら300ユーロ前後で手に入るらしい。
んー、ちょっと行ってみようかな。

個人のブログなんかを見ていると、どうやらとっても分りづらい場所にあるらしい。
イスタンブルのシシリー地区と言えば地元の若者達が集まるエリアのようだけど、ガイドブックにはその周辺の地図は載っていない。
幸い今はメトロが開通し、Bellaのホームページには最寄のメトロ駅からの地図が掲載されていた。
その地図をプリントアウトしてトルコへ持参し、いざいざ、Bellaへ!

メトロを降りると目指す建物はわりとすぐに見つかった。
窓辺にBellaのロゴが貼ってある。
ところが、その店舗への入口がさっぱり分らない。
窓の下の1Fは花屋だ。
建物の周辺を歩いてみるけれど、それらしき入口は見当たらない。
もしや花屋の奥に階段が???
・・・と、花屋に入っていくと、花屋の店員さんがこっちじゃないよ、と教えてくれた。
たぶん同じようにBellaに行こうとして花屋に入ってくる人が多いんだろうな・・・(苦笑)。

入口は花屋から数メートル先へ進んだ建物の真ん中。
案内も何もない、普通のアパートの中へ入っていく階段のある場所だった。
分らないって、これ!

階段を上ると普通のアパートの廊下。
2Fに着いてすぐ左側にBellaのロゴのついた扉があった。

チャイムを押すと応答があり、念の為に英語で
『ここはBellaですか?』と聞いてみた。
確かにここがBellaだった。
華やかなベリーダンスのコスチュームを扱うショップというよりも、事務所兼、工房兼、ショップという感じだ。
扉を入って右手に案内されると、ソファが置いてあるリビングルームのような空間があった。
そこの入口にはミシン台があり、普通に衣装を縫っている。
壁周りには衣装ケースやハンガーラックがあり、そこに色とりどりのコスチュームが掛かっている。
『気に入ったものがあったら試着できるから言ってね』
と、案内してくれた女性が言い、チャイを振舞ってくれた。

一通り見てまわり、山吹色っぽいオレンジと薄紫の衣装を鏡の前で自分に当てていると、先程の女性が声をかけてくれる。
『アナタはこっち(薄紫)の色の方が顔が明るく見えるわね』
え、そう?
『そう、シャイン!』
シャインか~。
本職の人にそう言われたら、やっぱこっちかなぁ。
試着をさせてもらうとなかなかにいい感じだったので、このままこれを購入することにして、自分仕様にスカートの丈や胸周り、アームのサイズ等々をその場で調整してもらう。
これでもかっ、というくらいにブラに綿を詰められたのには・・・。
でも、Bellaの衣装を買って、自分に合わせてお店の人に調整してもらえるのは実においしい。

ブラ、ベルト付スカート、アーム、ネックレス、ヘッドアクセサリー、ベール、と6点セットで280ユーロという金額は、日本で買うより半額以下だ(2008年9月現在、ユーロのレートは155円前後だった)。
支払は現金のみ。
向かいにはショッピングモールがあり、銀行も沢山入っているので交渉成立してから現金を引き出しに行くこともできる。


入口が分かりづらいので、これから行く人は、お店への入口にご注意を。
店内は写真厳禁なので外からの写真のみですが、窓辺にまで猫が!!