世界遺産となっている石灰棚があるパムッカレ。 「パムッカレ」はトルコ語で「綿の城」という意味を持つのだという。 石灰成分を含むお湯が結晶化して大地を覆っていて、石灰棚保護の為に立ち入りが禁止されている場所もあるけれど、裸足で歩ける石灰棚は人肌程度のお湯が気持ちいい。 「近隣の開発のために温泉が枯れつつある」 よく聞くこの台詞が誤りであることを、私はここへ来て初めて知った。 湯量が枯れているのではなく、石灰棚保護の為に湯量を調節しているのだそうだ。 場所により、時間によってお湯の流れる場所が変わる。 ここには是非1日滞在してその変化を楽しみたいものだと思った。 当初の予定ではパムッカレは1泊だけで、夜行列車でイスタンブルに戻ろうと考えていたのだけれど、線路の補修工事中で列車が動いていなかったのだから仕方ない。 しかし、2泊したおかげで石灰棚をまるっと1日堪能できたのだからラッキーだった。 到着したのは夕方だった。 チェックインをしたこの日は石灰棚の中には入らず、周辺散策と休養日にあてた。 オーナー夫人のアヤさんが出迎えてくれ、石灰棚に関するあれこれを詳しく教えてくれた。 ここで前述の「開発のために温泉が枯れている」説が間違いであることを知る。 なんでもアヤさんのお話によると、世界遺産に指定される前は係員が石灰棚の中を掃除していたらしいのです。 掃除?? そう、掃除。 ずーっと水が溜まっていると苔とか藻が繁殖してしまうから、それを掃除して苔や藻がつかないようにしていたみたいで。 ところが世界遺産に指定されて立ち入りが制限されてしまった。 水が溜まりっぱなしでは苔や藻が繁殖してしまう。 そこでどうしたかといったら、時々水を止めて石灰棚を天日に当てて乾かして藻の繁殖を抑えるようになったのだとか。 なるほど。 だから1日のうちでも水が流れる場所が変わったり、日によっては全く水がない場所があったりするのね。 そういう水を止めている日や時間帯に流れていない場所だけを見た人は、そりゃあガッカリして帰って行くことになるよね。 せめて! せめて滞在時間の少ないツアーでも水の流れている所を案内してあげてーーーっ! これは是非まるっと1日いて水の流れを追いかけてみたいものです。 さらに、夜になると石灰棚はライトアップされる。 石灰棚のすぐ下には近年新たに作られた公園があり、この公園から眺めるライトアップされた石灰棚はがこれまた綺麗なのだ。 到着日の夜はのんびりそんな夜の石灰棚を外から眺める。 だけど、この緑色のライトアップと人工的に作られた池には微妙な違和感を感じてしまうのだった。 そしていよいよ翌日! 日が昇って熱さ絶好調になる前に、午前中に石灰棚へ入る。 ここはチケットを購入した翌日午前中までならチケットを提示すれば出入り自由という有り難い場所。 まずは午前中に入って裸足で石灰棚を歩き、ぐるりと奥の方の石灰棚まで回ってから円形劇場へ。 そうして本物のローマ時代の遺跡が沈んでいる温泉プールに入る! 水着は持ってきていたけれど、ここでは水中メガネも必須でした。 前日にアヤさんに話を聞いて、ありがたくも水中メガネをお借りすることもできて、源泉近くに潜ってみると・・・。 お湯とともにポコポコと泡が出てくる様子を見ることができるのです。 深い緑色の下の方から小さな気泡が立ち上る様は素晴らしい! そうして昼過ぎに元来た道をパムッカレ村に下って行くと、朝来た時より湯量が多く流れている! ばしゃばしゃだーー! 真上に上った太陽が石灰棚の白とその上を流れるお湯に眩しいくらいに反射している。 そこには老いも若きもグラビアポーズで写真を撮るおねーちゃんたち(笑)。 やっぱりこれくらいの湯量があるとね! 昼食を食べ、まったりと部屋で昼寝なんかしちゃったりして、夕方に再度石灰棚へ向かおう。 今度は夕日に染まる石灰棚を見に! 夜行列車に乗ることになっていたらこういうことは出来なかったもんねぇ。 やはりここでは2泊が必要だと思った小田蘭です。 そして、今回は旅に出る前から何度もメールでお世話になり、パムッカレについてからも本当にお世話になったアヤさん。 そして彼女がトルコ人の旦那様と経営しているホテルは、テラスレストランから石灰棚が望める最高のロケーションと、トルコのホルピタリティと日本人オーナー夫人の日本的きめこまやかな対応が心地の良いホテルでした。 |
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