12■ラマザン










昨年のエジプト(2007/09/8-17)に続いて、今回も断食月にイスラム圏を旅することになった。
エジプトはラマダンに入ると本当に断食をしている人が多く、大都市や観光地では旅行者が飲食するにはある程度は困らないけれど、休業する飲食店があったりアルコールが町から一掃されたり商店も夕方の一定時間クローズしたり、イフタール(日が落ちてその日最初の食事)の時間には町から人がいなくなり路地裏は食事をする人で大賑わい、という日々が繰り返された。
博物館や公的機関も空いている時間が短くなり、列車の運行もラマダンの影響を受け運休するものがあったりした。

エジプトがそんな状況だったので、トルコも同じ感じだと移動に支障が出るかもしれないなぁ。
と、パムッカレからの夜行列車移動を考えていた小田蘭はトルコのラマダン状況が気になっていた。
出発前にパムッカレ在住のアヤさんと連絡を取ることができ、ホテルの予約とともに列車状況やトルコのラマダン状況についても確認することができたのは幸いだった。
そこで聞いた限りでは、ラマダン中の旅行者への影響は、エジプトに比べるとほとんどないというものだったので安心してトルコに向かう。

実際トルコに出かけてみても、ラマダンだと思われるものは夜になると飲食店に出てくる「イフタール・メニュー」と、ブルーモスク脇にこの時期だけ出現する屋台街と移動遊園地、そしてモスクの中に時々表示されているラマダンに関係する案内板くらいだっただろうか。

断食月の呼び方もエジプトとトルコでは若干違っていた。
エジプトでは「ラマダン」と言っていたと思ったのだけど、トルコでは「ラマザン」と呼ばれていたし、モスクの中にあった案内板の標記も「RAMAZAN」だった。
ふ〜ん、アラビア語ではなくトルコ語になると「ラマザン」になるのかな?
お世話になったお土産屋さんの従業員にも「ラマザン」という名前の青年がいて、彼はラマザンの時期に生まれたからそう名づけられたのだという話だった。

ガイドブックにも書かれていたラマザン期間に出現するブルーモスク脇の屋台の集まりは昔の日本の夏の夜店のようだ。
夏のお祭りの時にだけ出てくるいろんな屋台。
車の通行が制限された道路。
そんな感じ。

昼間は閉まっているが夕方からお店が開き始め、日が暮れると前に進むことも困難な程の人混みになる。
トルココーヒーを出すお店、ケバブ屋、アイス屋、ジュース屋、甘いお菓子を売るお店、等々etc...。
ヒッポドロームやオベリスクのある広場は小さな移動遊園地が設定され、子供たちも夜遅くまで遊んでいる。
ブルーモスクの中にはコーランや各種本を売る屋台。
夜の大混雑の時に、お世話になったお土産屋さんからラマザン青年が宿泊ホテルまで案内してくれた時にここを通ったけれど、気をつけないとすぐ前を歩くラマザン青年ともどんどん離されていきそうだ。
それでもやっぱりこの時期しか現れない限定屋台通りは、ラマザンの時にイスタンブルにいるなら行ってみたい場所の1つだと思う。
とにかく夜の混雑はすごいので、荷物は最小限で肌身離さず気をつけて。

そしてラマザンの特別メニュー、観光客もお店で食べれる「イフタール・メニュー」!
まぁ、要は簡単なコースメニューなのだけど、ボリュームたっぷりでスープやチャイも付いているこの時期の夜にしかないセットメニューだと思うと気になるじゃないですか。

トルコのラマザンは、旅行者にとっては他のイスラム圏より観光や移動に影響がなく、なおかつラマザンの雰囲気も味わえるおトクな時期だと思ったのでした。