10■ギュレギュレ









海外に出かけてTVのある部屋に泊まると、部屋にいる時は大抵ミュージック系のチャンネルを流している。
そういう番組が映らない時はニュースかな。

今回の旅ではロードス島で泊まった部屋に付いていたTVは映りがよくなかったのだけれど、トルコではいつも音楽チャンネルをつけていた。
トルコの音楽シーンを詳しく知っている訳でもないけれど、なんだかすごく欧米っぽい印象のPVが多かったなぁ。
そんな中で、私たちの興味を引いたものが2つ。

【その1】
赤ずきんちゃんのコスプレ(笑)をした女性がエロ可愛く踊りながら歌っているPV。
ちゃんと狼コスプレのお兄ちゃんも登場していた。
で、何が興味を引いたかって、その女性が「ギュレギュレ〜♪」と歌い踊っているのです。
「ギュレギュレ」とは、トルコ語で「さようなら」の意味。
しかも、去っていく方が使う言葉なのですよ。
見送る方はもっと長くて複雑な発音なのだけれど、「ギュレギュレ」は発音も簡単だし短いからすぐに覚えた挨拶です。
赤ずきんちゃんの格好をしたお姉ちゃんが「ギュレギュレ♪ ギュレギュレ♪」と歌いながら踊る。

ギュレギュレって去っていく方が使う「さよなら」って挨拶だよね。
ってことは、このお姉ちゃんは狼さんから去っていくって歌なのかしらん?
などと旅の同行者けいさんと笑いながら見ていたのです。
で、この曲をCDで買いたいと思い、イスタンブル在住の知り合い(日本人&トルコ人のカップル)に聞いたりもしたのだけど、そんな歌は全然知らないと言われてしまい・・・。
むむむむ。。。。
最近出たばっかりの曲なのかなぁ?
曲の前後に出るキャプション(曲名や歌手の名前)見はぐっちゃったんだよね。

【その2】
一人ベッドの上でごろごろ転がりながらガイドブックを見ていたら、突然TVから知っている単語が何度も流れてきた。
外国語で知ってる単語って、それだけ妙に耳に入ってくるよね。

そのPVは、草原に点々と扉だけがある風景の中で、そのうち1つの扉を挟んで男と女がすごく真剣な表情で向き合っている映像だった。
歌っているのは男性。
その曲の中に「ネ・カダル」って聞きなれた言葉が聞き取れたのです。

ね〜、けいさん。ネ・カダルってなんだっけ?
「いくら?」
あ、金額聞く時のか〜。どうりでよく聞いた事のある単語だと思った。
って、でも!
「どうしたの?」
いや〜、ぷぷぷ。いま流れてるPVでね、男の人が真剣な表情で女の人に「ネ・カダル」って歌ってるの。
「ええ〜?! あ、ほんとだ。ネ・カダルって言った」
ね? でもこんなに真剣なのに男が女に向かって「いくら?」って聞くのって何よ(笑)。ねぇ?
「もしかしたら「どのくらいアナタが好き」とか、そんな意味かも」
あ、それだったら納得! そうだよね、おねーちゃんに「いくら?」って金額聞いてるのはさすがにねぇ。あははは。


そして旅も後半、イスタンブルの新市街で買物をしている時に音楽ショップを見つけて、今回も現地CDを物色する。
小田蘭は旅先でその国のポップスを買うのが好きなのです。
今回はベリーダンス音楽も買い込んだけど。
「ネ・カダル」は別にいいけど、「ギュレギュレ」の曲が欲しい、と思って探すのだけれど見つからない。
赤ずきんちゃんコスプレのジャケットも見当たらない。
音楽ショップの中をあちこち物色している東洋人を見かねた店員さんが声をかけてきてくれた。
『何か探してるの?』
えーっと・・・。
何を探しているのか曲名も歌手も分らないのに伝えられないよ〜〜〜。
てことは、やっぱりアレですか(汗)。

「ギュレ・ギュレ♪ ギュレ・ギュレ♪」
「???」

うううぅぅ、やっぱダメか…。

ええ、歌ってみたけどダメでした。
私の歌がヘタだったのか、本当にサビの一部分しか言えなかったからダメだったのか、とにかく全く分ってもらえなくて、親切で聞いてくれたお兄ちゃんは不思議そうな顔をして去って行ったのでした。

この旅での購入CDはブログにも書いたので、内容についてはこちらをご覧ください。