キューバは現在2通貨制度となっている。 旅行者が主に使う兌換ペソ(cuc。1cuc=1US$)と、キューバ人が通常使う人民ペソ(cup。24cup=1cuc)だ。 人民ペソは「クバーノ」と呼ばれ、MONEDA NACIONAL(国の通貨)の頭文字を取ってMNと表記される。 旅行者でもカデカという両替所でcucからcupに両替できて使用も可能だし、もちろんキューバ人でも兌換ペソを使う人はいる。 で、この2通貨制度なんですが、旅行者が短期で出かけるくらいだと本当にcucしか使いません。 宿だってホテルもカサ(民宿)もcuc払いだし、レストランもcuc。 長距離移動のバスもcucでスーパーに入っても表示されているのはcuc。 人民ペソってどこで使えるの? って感じなのですよ。 空港で最初に両替した時も当然のように何も言われずcucだしね。 1日早く到着していたゆうこさん&みずえさんのエクアドル旅行会社コンビと合流した翌朝に、彼女たちが前日に買っていたパインジュースを飲みながらそんな話をした。 パインジュースはスーパーのような所でcuc表示だったし、換算すると日本で買うのと同じくらいの金額だったそうだ。 この時点で3人ともcucしか持っていなかったけれど、MNが使える所って普通に都市を旅行しているだけだとそうそうないのかもね。 ・・・とか話しをしていた1時間程後にMN払いのお店を発見。 ハバナからトリニダーへ向かうツーリストバスは旧市街の主要なホテルを発着場所としている為、カサ(民宿)に泊っていた私たちは最寄のピックアップ場所のホテルまで移動してロビーでバスがくるのを待つことになるのだ。 カサで朝食を食べていなかったので、軽食を買ってバスを待つ間にでも食べようと1人がロビーで荷物番として待機、2人が買い出しに外へ出かけることにした。 ハンバーガーかサンドイッチでも買えればいいなぁ、とゆうこさんと小田蘭が歩いていくと大通りに沿った建物の1Fに人の集まっている一角がある。 みると店先で焼いたパテをパンに挟んで売っているハンバーガー屋で、魚肉ソーセージみたいな色味のパテはさっと熱しただけですぐにパンに挟んでいる状態だ。 ゆうこさんと2人で「さすがにもっと焼いて欲しいよね、ここはパスかなー…」と金額だけでも確認しようと店先から料金表を確認すると、「15」という数字が見て取れる。 15? 15cuc??? 15cucって言ったら1,500円だよ! さすがにこんな店先の(日本人からみたら)生焼け状態のハンバーガーに1,500円は無理だわー。 ってか、結構人集まってるけどみんな本当にそんな金額で買ってんの? 次、次! 少し進んだ先にも似たようなハンバーガーを売るコーナーがある。 そこは先ほどの店よりもパテをしっかり焼いている様子だったけれど、それでもゆうこさんが金額を聞くと「オーチョ」と言う。 オーチョって8でしょ?! 8cuc(約800円)って、さっきの所よりは安いけどそれでもやっぱりこのハンバーガーにそれは無理だわ〜。 ハンバーガーの他に何か小さいお菓子のようなものも揚げていて、それは1つ1cuc(約100円)だと言う。 この小さいのが100円ってのもちょっとねぇ。 あ!!!!!! そこでハタと気付く。 「ゆうこさん、コレもしかして人民ペソじゃない?」 「あっ、そうか。人民ペソなら納得。でも私たち人民ペソ持ってないから買えないよ」 「そうだねー。仕方ない、戻ろうか。私、トロント−ハバナ間の飛行機は食事が有料だっていうからカロリーメイト持ってきてて、それまだ食べずに持ってるから少ないけどそれ食べる?」 ハバナの旧国会議事堂の向かいにMN払いのハンバーガー屋があったとは思いもしなかった。 確かに後日、人民ペソを手に入れてここでハンバーガーを買った時によく見れば、店内の壁にはMN払いだという表記があるじゃないですか。 この朝のことがあって少しくらいは人民ペソも持っていた方がいいと思った私たちは、トリニダーのカデカで10cuc分をMNに両替した。 「ちょっと大変! 10cuc両替したらこんなに」 両替を終えて出てきたゆうこさんは紙幣の束を持っている。 使いこまれた紙幣は意外と嵩張る。 10cucはMN240となり、それらが小額紙幣で渡されたものだから見た目はとってもお金持ち(笑)。 ハバナのハンバーガーがMN8ということは、日本円に換算すると35円程になる。 ハバナのレストランで食事をすると高級ではない所でもcuc払いですぐに1人1,000円を超えてしまうというのに、MNとの価格差はこれほど大きいのか。 両替したMN240はゆうこさんと2人で分けて持っていたけれど、やはり使える所にはあまり行かなかったので最終日になんとか使い切ったという状態だった。 旧市街の路地に面したお店や、路上にいる果物や野菜売りやCDなどを広げている人達、地元の人達が乗っている見た目のちょっとボロいクラシックカータクシーなどはMN払いだ。 MN払いのお店は店内に黒字に白文字で「MONEDA NACIONAL」の表示看板があるので注意してみてください。 last update / 2013.05.26 |
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