■デッド・シティ




















デッド・シティとは、その名の通り「死んだ町」。
つまり、ふる〜い昔の村の跡のこと。
そんなデッド・シティをいくつか経由しながら、アレッポからハマへ向かうツアーをアレンジした。
この日の移動はこちらから

最初の訪れたのはルウェイハ。
アレッポから車で1時間強ほど走って何もない道の真ん中に止まったと思ったら、右手の方に崩れかけた石造りの建物が見えた。
これだ!
ドライバーは私たちを降ろし、
『この先で待っているから』と1時間後に集合することになった。
この日のメンバーは、小田蘭&はいじさんともう1人、昨日のツアーにも参加していた欧米系のおにーちゃん。
さっそく別々に遺跡の方向へ向かっていく。

しかしここは入口とか入場料とか何もないのだろうか。
道らしい道もなく、人が通った跡らしい所を歩いていると、最初に見えた建物の側で白と茶色の馬が水を飲んでいた。
側には中年の男性が1人。
この人はなんだろう?
遺跡管理人にしてはどうも雰囲気が違う。
単に馬の世話をしているだけのようだ。
その横を通ろうとすると声をかけてきて、アラビア語の分かるはいじさんが翻訳してくれたことには、どうやら
『オレを撮れ』と言っているたしい。
またか・・・。
まぁ、エジプトのように通りすがりに杖で突かれて
『ワシを撮れ』と言われるよりはマシかな〜(笑)。
まあじゃあ・・・とカメラを構えると、
『待て待て!』と半分崩れた建物へ向かって行き、寝そべってポーズをとる。
いや、あの・・・・・・。
うん、じゃあね、おじちゃん。
とりあえず撮ることは撮った。

おじちゃんを残して先へ進むと、春らしい色合いの花・・・というか雑草というか・・・が咲く中に石造りの建物が広がっている。
進んでいくと、崩れかけた建物の中には馬の飼料が積まれている。
奥には布が掛かっているところもあり、そこへ向かっていってみると鍋から立ち上る湯気が見える。
人の気配もする。
そろそろと足を踏み入れてみると、そこは普通に人が生活している空間が現れた。

って、ここ遺跡なんじゃあなかったっけ???

進めば進むほど、放置された建造物を利用した生活の場になっていく。
網で囲ってテントを作って羊小屋。
屋根の上には鶏が一羽。
建物の影にも鶏や羊に、ボロボロだけれどきっと絶対まだ使われているバイクが立てかけられ、更に奥は畑になりトラックも見える。
一回りしていると、建物の脇に腰掛けたおばあちゃんにお茶を勧められる。

・・・・・・。
うーーーーん。。。。
ルウェイハ、普通に人が住んでるよぅ。

羊っ!
鶏っ!
山羊もいるーっ!

そんな場所を興味津々でどんどん先へ進んでいく。
昔の村の跡だから敷地内は結構広いし、敷地内と言ってもきちんと整備されているわけではないので(だって普通に人住んでるもん)、どこからどこまでがルウェイハの遺跡なのか分からない。
そろそろ戻らないとドライバーとの約束の時間になっちゃう。。。。
と、戻ろうとしたら迷った(汗)。

『この先で待ってるから』って、反対側に出入口があるってことなのかなー。
っても、入ってきた様子からすると明確に出入口なんてなさそうだけど。
どこで待ってるのかもっとよくドライバーに確認しておけばよかったね。
携帯電話の番号聞いておけばよかった!
なんだか奥に歩きすぎてきちゃったみたいじゃない?
この先ずーっと平地っぽいよ。
じゃあ一旦来た道を戻ろうか、早くしないと戻ってるうちに時間がきちゃいそうだし。

ってことで迷子になりそうであたふたしていたら、一番最初に会った馬に水を飲ませていたおっちゃんがやってきて
『こっちだ』と案内してくれた。
たぶん、同じように置くまで入りすぎちゃって帰り道が分からなくなる人が多いんじゃないかな。
おじちゃんありがとう!

果たして来た道を戻ってみると、私たちが車を降りた所から少し先に車が止まっているだけだった。
『この先』って、本当にすぐ先のことだったのか!!!

まぁ無事に合流することができて、次の目的地はセルジッラーだ。
ここも同じく廃墟跡なのだけど、ルウェイハと違ってきちんと整備されていて入場料を支払って中へ入ります。
所々に遺跡説明の案内板も立っています。
でも後ろを見ると、写真のようにスコップを利用して立てかけられているものもあったんですが(笑)。
そして、あちこちにトカゲがいるいる(笑)。
小さいのからある程度の大きさのものまで、気がつくと
「あっ、トカゲ」「こっちにも!」ってな感じでトカゲが目に付く私たちなのでありました。
変温動物のトカゲくんは、こうやって岩の上の日当たりのいい場所を見つけてひなたぼっこに余念がありません。

そして、点在するアルバラ遺跡も見てまわる。
ここは敷地に一点集中しているのではなく、あちこちにポツポツと点在して残っているので車で走りながら写真を撮りに降りたりしつつ回りました。
看板も錆び錆びで管理している人もいないような遺跡。
オリーブの畑の真ん中にどんっと遺跡。
三角屋根と入口と窓の部分がなんだか顔みたいで可愛い。

そしてアパメア遺跡を見学してからハマへ入る。
アパメアは草原の真ん中に建つ紀元前3世紀頃のもので、シリアにある中では最長の2km近くもある列柱が見所だ。
ちょうど今の時期は周辺一帯に草花が茂り緑色が目に嬉しい。
麦畑に囲まれているアパメア遺跡は、あと1〜2週間もすれば麦の実りで一面の黄金色になるのだろう。

シリアの遺跡をいくつか回るときは、やっぱり専用の足があった方が便利。
旅行会社やホテルのロビーでツアーを組むことができるので是非利用して出かけてもらいたい所です。
主要な遺跡もいいけれど、こぢんまりとした遺跡も味があって好きなんだよねー。