トルコ系ドイツ人のファティ・アキン監督作品。
骨太で重くずしりとくる。
2時間以上ある作品だけど引き込まれっぱなしで気づくとエンドロールだった。
第一次世界大戦中にトルコで起きたアルメニア人虐殺をベースに、声を失いながらも生き残った男が双子の娘を探してトルコ→レバノン→キューバ→アメリカを移動するロードムービー。
この話をトルコ系の監督が撮るのか!いや、だからこそか?!
強制労働からの処刑をかろうじて生きながらえてアレッポの石鹸工場の人に拾われていくとか、あぁそうかアレッポ(現シリア)は当時オスマン帝国領土だったっけか、と歴史の渦と現在のシリア情勢を想ってみたり。
撮影も各地で行われたようで、エンドロールには「CREW CUBA」「CREW JORDAN」、CANADA、GERMANY、MALTAと世界規模で壮大だ。
随所に挿入される「愛しい人」と歌うJANOYが耳に残る。
って、音楽はアレクサンダー・ハッケなのか!好きなはずだわ、わたし。
なんだかアナドルロックが聴きたくなった。
消えた声が、その名を呼ぶ(原題: THE CUT)