今回の風髑髏は主役が1人2役という原点回帰パターンで、特に前回の鳥髑髏が飛び道具的だったから改めて「髑髏城ってこうだったなー」と。
鳥髑髏の解釈は新しくてすごい好きだけど!
しかし今回もオタ芸披露の兵庫とか、蕎麦打ち贋鉄斎とか、もうこの2役は毎回どの役者さんもブッこむは持ってくわ、さすがとしか。
今回は十年近く会っていなかったかもしれないお友達からチケットを譲ってもらい、ロビーで懐かしの再会ができて嬉しかったー!
ご一緒したベリーダンサーの先生は現代の演劇舞台はあまり観る機会がなかったと言いつつ、ド派手な表よりも「これだけのものを作り上げるためにどれだけすごい裏方の力が集まっているのか」とそっちの方に感動していて、この人について習えていることが誇らしく。
ダンサーは表に出る役回りだけど、表がド派手に活躍するまでを企画し動かし本番中も舞台を支えて滞りなく終わらせられる裏がとても大変で重要であることを心底分かっている人の観方だ。
役者の体幹や軸や魅せ方に目がいくのもさすがダンサー。
全ての舞台は明確な役割分担で完成する。
私が新感線の舞台を見始めたのはシアターアプルやサンシャイン劇場の頃からだけど、その頃からでも観続けていて思うのは近年やっと本人たちがやりたいことに環境が追いついてきたんじゃないかってこと。
規模が大きくないと出来ないこともあるし、ソフトやハードの技術面とかが特に妄想(構想?(笑))に現実が追いついてきた感じがする。
舞台装置や美術に衣装に音楽音響、プロジェクションマッピングも駆使した舞台は役者も含めて本当にやりたい放題だなと思うけど、使えるものは何でも使ってそれができるのが今の新感線なんだなぁ。
人力の凄さ、何でも自分たちでやってしまう人の力ってのも別ベクトルで素晴らしいんだけどね。
「いのうえ歌舞伎」という言葉も知らない人が今回の舞台を観て「歌舞伎も昔は当時の粋や目新しいものの集大成でこうだったんじゃないかと思う」ということを言っていたのが印象的でした。