2014年6月アーカイブ

三人吉三

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色彩と照明と音楽の妙。
やっぱり舞台って総合芸術だなぁ。

ステージのセットと役者だけでももちろん素晴らしいんだけど、そこに音や色や照明の効果が加わることによって、それが絡み合っていくことによって、より芝居の世界が深まるというか広がるというか。
演じる側も盛り上がるし、観ている方も引き込まれていく。
何か1つ欠けてもダメだし、どこかが過剰になり過ぎてもダメ。
この辺の足し引きが難しくて、大きな効果になるか、残念なことになるか。
今回の「三人吉三」はまさにその舞台に関わる全てが上手くハマっていた気がする。

1幕の始まりは客席が明るくてまだ席についていないお客さんもいる中、通路を役者さんが通っていく。
あれ?
と思っているとまた通路に出てくる。
席に向かうお客さんを上手くアドリブでかわしながら、ちょっかいだしながら。
そして舞台上では黒い薄い紗の幕の向うで江戸庶民の生活が動き出す。
左右に配置された附け打ちとパーカッションブースからの音、そして舞台上でも生活用品を使ってリズムを取り始める。
包丁でまな板を叩いているのって、なんだかNANTAを彷彿とさせるなー...、あ、他の物でも音出しているからSTOMPか?
そんな感じで1幕は今回の舞台の下敷きを説明するような構成で、百両と刀(庚申丸)の関係とか、その後絡んでくる人たちの繋がりとか、過去の犬殺しのシーンとか、合間に江戸の生活の様子を挟みながら。

主役たちがなかなか出てこないぞー、と思い出した頃に満を持して客席からお嬢吉三が登場!
待たされただけあるのか盛り上がりますねぇ。
そうして大川端の立ち回り!
舞台に配された本物の水を使った池と回る舞台。
黒子さん達が後ろでばしゃばしゃと水飛沫を上げ、舞台が回り、立ち回りに合わせてパーカッションや附けの音が鳴る。
和尚吉三が止めに入っきて三人で見得を切るシーンとかはもう、やっぱり歌舞伎の様式美ってものは素晴らしいや。
形があるからこそ、形がきちんとしているからこそ、そこから外していってもブレないんだな。

2幕は絡み合った複雑な因縁が1つ1つ判明して、いろいろ変わる場面転換にぐいぐいと引き込まれていく。
3人夜鷹の笑っちゃうシーンもあり、伝吉の独白を後ろで聞いてしまう和尚吉三の陰影も照明の具合が絶妙で。
伝吉とお坊吉三の立ち回りも陰影を強調した照明の使い方の迫力!
この舞台はなんだか個人的に照明の使い方がとても好きだ。
1幕の水面の揺らめきを天井や壁に投影して表現しているのとか揺らめきが綺麗で好きだったなぁ。
立ち見で観た時は全体が見渡せるものだから本当にうっとりしてました。
2幕最後の吉祥院のセットが割れて和尚吉三が双子の兄妹の首を持ってくる所の背景のざわめきと照明も鳥肌モノ。
綺麗だからこそ、余計に切なさが際立つというか。
そして、この吉祥院で全ての因縁が明らかになってから3幕に続く怒涛の展開にはトリハダ立ちまくりでしたよ!
ここに音楽が追い打ちをかけてくれるものだからもう!!

そうそう、今回は三味線とかの下座音楽を全く使わないということでも話題になっていましたが、正直言うと私は1幕の途中までそのことをすっかり忘れてました。
意識せずに見ていたというか。
違和感なく音が芝居に寄り添っていたからじゃないかと思うのですが、まぁ私が元々のこの演目を歌舞伎で観ていないから、というのもあるのかもしれないけどね。
この舞台の稽古をしている時期に、今回パーカッションで参加している熊谷太輔さんのtwitterで三人吉三の台本と一緒にハピドラムが写っている写真が上がっていて驚き、音楽監督の伊藤ヨタロウさんのtwitterでセネガル出身のタイコチームと録音したって写真が上がっていてまたまた驚き、どんな音楽や音がくるんだろうと思ってはいたのです。
ハピドラムなんて最近の楽器と、アフリカンな大地のリズムだよ?
twitterからは相当大変そうなご様子が伺えましたが、いやもうこれは...。
歌舞伎の演目にこうもハマるものかと。

「歌舞伎」とは「傾く(かぶく)」ものであり、その時代に於いては頭を傾けるような常識外れで斬新で派手で人を惹きつけるものであったというのはこういうことかと。
「歌舞伎」って今では敷居の高い芸術みたいになってきているけど、きっと当時の歌舞伎は今のアイドル芸能界みたいなものだったんじゃないの?
ロックやパンクやジャズであったかもしれない。
歌舞伎絵とかあった訳だし、それって今でいうブロマイド的なものとか。
歌舞伎の演目にアフリカンパーカッションと附け打ちを同時に合わせるのって、傾いてるよね。

で、2幕後半から3幕ですよ。
私が音楽をハッキリと意識したのは。
特に3幕!
大地に響くアフリカンなタイコのリズムとうねるギターにうごめく音。
真っ白い舞台上に映える主役3人の衣装の色。
追いつめられていく3人の様子が音楽によって拍車がかかって、ただもう圧巻でした。
この迫力の音があってこそ、のちの静寂が引き立つというか。
そして立ち見で上から観た時の白装束の追手の人達のフォーメーション!
これは...。
複数回違う方向から観た方がより楽しめる!!
いやー、ヤバイ舞台だったわー。
終演後はしばらくぼーっと脱力する感じで、舞台を反芻しながら帰路を辿る小田蘭だったのでありました。

で。
立ち見の2週間後にきちんと取れていたチケットで1Fの正面ブロック椅子席で観たのですが、観る場所の違いで音の感じがすごく違ってたのが驚きでしたね。
やっぱり椅子席での音がすごく良くて、特に附けの音!
あんなに響いていたとは。
立ち見が中2階上手側で附け打ちブースの上だったのもあるのかな。
日程違いでダブルキャストだったパーカッション担当も両方で観れたし、これは急遽思い立って公演半ばに当日券で立ち見に行ってよかった。
音は椅子席の方が断然良かったけど、大詰の立ち回りは上からの方が全体の動きが見えて好きだったな。
近い方が迫力なのは間違いないんだけど、見え方の違いまで楽しめたのも立ち見に行って良かったと思うこと。

でもって、今回全然お芝居繋がりではなくtwitterで繋がっていた人がこの舞台を観に行っていて、twitter上でこの話ができたことも嬉しいことでした。
すごかったですよね! と共感できるのはいいね。
そして音楽についても、
「Rockでしたね。白波ものにはぴったり。犬殺しでブルースあてたのには感服しました。」
と言っていたのも妙に嬉しく。
好きなものを褒められるのは嬉しいものなのだなぁ。

この三人吉三は7月後半に松本でも公演されるのだけど、市民参加者が加わったりもするらしいし場所が変わるとまた違う舞台になっていくんだろうね。
さすがにそれは見れないけれど(エジプトから帰った直後だし!(笑))、後日談や評判をどこかで目にする機会を楽しみにしておきましょう。

レポ?

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やっぱりなんでも数こなしていかないと上手くならないよね。
写真と文章とベリーは上手くなっていきたいので、書ける時にはいろんな記事を書いていこう。

そんなわけで、ライヴレポートみたいなブログって書いたり書かなかったりだけど、5月と6月にあったオトコンテのライヴについて雑感。
東京公演が終わったら三人吉三についても書こう。

2月末にも書いたけど
 オトコンテ = 音コンテ
 伊藤ヨタロウ&今堀恒雄

いいライヴの後はなんだか寂しさが残るね。祭りの後のような。
5月6月と続いたオトコンテライヴの余韻に浸ろうとYouTubeに上がった甲府のダイジェスト映像を見るも、オープニングの見せ方といいあの曲もその曲もいいとこ取りしてるからもっと観たくてジタバタする!
逆効果か!(笑)

オトコンテは渋みというか凄みがあって、甲府の映像のオープニングとかもうゾクゾクしちゃうんだよ。
男2人ってことで、行く前は一瞬その昔やっていたジ・アクエイリアス(伊藤ヨタロウ&横川タダヒコ)が思い浮かんだりもしたのだけど、年齢重ねてきた経験の重みかな。やっぱすごいや。

今堀さんのギター1本で、ヨタロウさんがメトロファルスの曲やメトローマンスホテルの曲やカバー曲やお芝居で作った曲を歌います。
やー、これがねぇ。
実際に演奏している所を見ないと本当にギター1本なのかって感じの演奏なのですよ。
エレキだったりアコギだったり曲の違いでギターを持ちかえたりはするけれど、演奏中はそのギターのみ。
ど、どうなっているんだ、これは。
そんなすごいギターに、ヨタロウさんの変幻自在な歌声がのる訳だからもう...この組み合わせってヤバイね。
こんなユニットでライヴやってくれてありがとう!

次の予定は未定らしいけど、今後も目が離せないし行ける時には行きたいぞ、っと。

【伊藤ヨタロウ × 今堀恒雄】『オトコンテ』Vol.1 黎明編 ダイジェスト

【伊藤ヨタロウ × 今堀恒雄】『オトコンテ』Vol.5 甲州の陣 ダイジェスト

目指す

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自信なんて
何に対しても
いつになっても持てない

いろんな事にすぐ不安になってしまう
だけどそれは内側に仕舞い込んで
表向きは平気を装う

目指すのは飄々とした自分
6月は行きたいものがいろいろと重なっておりまして。
重なって...とは言っても同日ではなく、毎週何かしら観に行っている予定です。

ベリーダンスはトルコ在住日本人の方が企画して自らも踊るターキッシュ・ロマなショー。
「Kutla Kutla(クトゥラ・クトゥラ)」
1部2部全てがトルコのロマ(ジプシー)って日本じゃなかなかないよ!
でもって、2部は生演奏♪
タイコ(ダラブッカやタンバリン)はもちろん、トルコだからサズも入ります。
サックスやフルートも入ります。
やっぱり生音は気持ちいいね!
見ているだけでもそうなんだから、あの音で踊れたらどんなに気持ちいいだろう。
ま、それには即興力が試されるわけですが(汗)。

今の私はレッスンではエジプシャンスタイルに注力しているんだけど、でもやっぱりターキッシュだって好きだー!
どっちも別方向で好きなのよ。

月末には来日ダンサーのショーも観に行きます。
ここ数年は本当に海外からダンサーが沢山来てくれるので観たいものが多くて嬉しくて困るんだけど、来日機会は逃さないようにしないとね。
それでもいろんな都合で観に行けないものがあるのは仕方ないこと。
行ける時には楽しむぞ、っと。

そして観劇はコクーン歌舞伎「三人吉三」。
黙阿弥の七五調はリズムといい出てくる台詞といい、日本人には馴染みがあるものが多いよね。
「こいつァ春から縁起がいいわぇ」
とか、歌舞伎でこの演目を見たことなくてもこのセリフだけなら見聞きしたことあるんじゃないかと。
私もあらすじは知っているけどきちんと観たことなかったし、ちょうどチケット発売日に家にいてネットで運良くチケットが取れたので行ってきます!
で、あらすじは知っているけど...って状態だったものを、観る前にきちんと読んでおこうと思って中古で文庫本を入手。
あれ? そんなの前にもやったよね、わたし。
はい、ベリーダンスの発表会がピーターパンだった時にも同じようなことやってました(笑)。

そしてライヴはオトコンテ。
春の楽団鹿殺しの舞台では教授役、年末にやる再々演「キレイ」では音楽担当で三度のカミ役、コクーンの三人吉三でも音楽監督を務めるヨタロウさんが歌います。
一緒にやるのは菅野よう子さんの楽曲や他にも多くの方の所でギターを弾いている今堀恒雄さん。
渋いオトコ2人のライヴです。
メトロ本体が再び凍結期に入ってしまったので、これからは個人活動を追いかけますよ♪

個人活動といえば。
この間カセットコンロスのYouTubeを見ていたら、以前メトロファルスにいた田村玄一さんがゲスト参加されていて驚いたことが。
皆さんそれぞれにご活躍のご様子です。
さいたまスーパーアリーナの側にある「けやきひろば」で年に2回開催される、
「けやきひろばビール祭り」
http://www.beerkeyaki.jp/

他のビアフェスと違って入場料が必要なくて出店ブースで購入の都度精算だし、会場の雰囲気もあってか回を追うごとに盛り上がって出店数もどんどん増えてます。
1-2回お客さんとして飲みに行って、去年の秋にはデビルクラフトのブースにボランティアで入りました。
で、今回も同じく土日にデビルクラフトでお手伝い。

飲食で働いた経験なんて、むかーしむかしの某○コちゃんのお店でケーキ売ってたくらいしかないけれど、イベントでの売り子経験なら最盛期に準備&撤収から列整理から販売から対応から一通り慣れたもの(笑)。
本職でも一時期"先生"と呼ばれる方々が集まる会の側として立ち働いたこともあるしね。
それに、自分としてはこういうイベントごとは中に入っている方が楽しめる。
好きな事こそ中の人が楽しいんだよね。

大手会社以外のビールを知って飲むようになってから数年、ビール仲間も増えました!
よく行くビールバーではお店の人のみならず、飲みに行くとお客さんにもたいがい知り合いがいたりして、某もやしもんではないけれど、ビールは笑顔の似合う楽しい場に合うお酒なのもハマった理由かもね。

そんな楽しいビールなお祭り!
今回のけやきも楽しかったーっ♪
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プロフィール

小田蘭
旅と写真と音楽と食べることとetc.
日常の記録をブログにて
旅のサイト時遊空館はこちらから
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