ビー玉で栓がしてある、昔懐かしい瓶入りのラムネ。
飲む時にはガラスが触れあう涼し気な音がする。
子供の頃はあのビー玉が欲しくて飲み終わった瓶を割ったこともあった。
ある日の残業中。
自分の席でパソコンに向かっていると、後ろでカラカラと音がする。
「ん?」
同じく残業中の、隣の席の人と顔を見合わせた。
「なんか妙な音ですねー」
「うわぁ、まーたラムネ音鳴ってるよ」
「ラムネ音?」
「この間っから時々妙な音するんですよ。なんかビー玉入りのラムネ飲んでるみ たいな」
「あー! 言えてますねぇ、確かにそんな感じ」
音の発生源を求めて辺りを見回すと、原因はもちろんラムネではなく、おむすび型のi-Macだった。
なぜi-Macがそんなラムネ音を発するのだー!
というか、音の設定とかしてないのに勝手にそんな音がするって明らかにおかしいんだから、気付い た人が修理に出そうよ・・・。
案の定、そのi-Macは数分後にクラッシュ。
そして何度再起動しても立ち上がらない。
使用中の書類はおしゃか。
夏の日の(別な意味で)涼しくなった「ラムネ音」のお話でした。
日本って、日本以外の国の旅行者にはちょっと旅行しにくい国だよね。
海外を旅するようになってそう思った。
ワールドカップの開催で、いつになく多くの旅行者を見かけるこの頃、改めてまたそう思う。
出勤途中の乗換駅で自身の頭を綺麗に染め抜いた外国人サポーターがいた。
髪の地色は薄い金。
三等分にした左がオレンジ、真ん中が地色、右側が緑。
どこの国の人だろう?
と思っていると、なにやら駅係員と応戦中。
いえね、お互い言葉が通じなくて苦労している風なだけだったんだけど(笑)。
全然噛み合ってない感じがしたので、とりあえず声をかけてみた。
「エクスキューズミー?」
成田空港に行きたいらしいが、電車が遅れているようだ。
3本あとの電車が成田空港行き。
それが上手く伝わらなくて、通勤時間帯のホーム仕事もある駅係員は四苦八苦の様子であった。
えー…っと。
とりあえず、私のめちゃくちゃなカタコト単語で「次の次の次の電車が成田空港に行く」と理解してくれたらしいサポーターの兄ちゃんは自分の荷物がおいてあるベンチに戻って行った。
あ! でもこの時間の成田空港行きの電車って、途中で車輌分割されて何両か別方向に行っちゃうんだっ!
先程の駅係員に確認すると、サポーター兄ちゃんがいるあたりの車輌はちゃんと成田空港まで行くという。
うん。よしよし。
最近は多少増えたとは言え、駅や町中の案内版は日本語ばかり。
外貨に両替できる場所も少ない、というか、分かりづらい。
中学生から何年も英語を勉強しているのに、日本語以外で話し掛けられそうになると避けてしまうきらいがある。
私だって英語で会話ができる訳じゃない。
でも。
日本の外に出ていって、身ぶり手ぶりにカタコト単語と会話集を片手になんとか個人旅行をしている。
その国の人達に見守られながら。
この日の私の行為だってロクな会話も出来なかったし、単なる自己満足かもしれない。
でもね、せっかく日本を訪れてくれたなら、日本を気に入って帰ってもらいたいなぁ…。
1月11日。
この日が休日にあたる場合はその前後に、会社が入っているビルの食堂で鏡開きのおしるこが振る舞われる。
毎年の楽しみのひとつだったりする♪
年末には会社宛にお歳暮を戴く機会が何件かあった。
暮れも押し迫り、明日で年内の仕事も終わりという日に届いたのは中華生麺。
5食分の生麺とスープの元がセットになって、それが30セット。
これを11人で分けると単純計算で一人2ー3セット。
しかも生麺なので賞味期限は1月3日。
「小田さんラーメン好き?」
「好きですよー♪」
「じゃあ、はい」
「は…?」
3セットが私の手元に渡された。
「いやあのー。いくら好きでも正味期限まで10日ないものをこんなに貰っても…」
「お正月実家に帰らないの?」
「そりゃ帰りますけど、そんな大家族じゃないですよー」
「じゃあ持っていきなって」
「あ…ありがとうございます」
その日に会った友達に1セット渡した。
実家に1セット持っていった。
1セットは自宅で食べた。
年末年始は殆ど毎日ラーメンだった。
とある仕事がらみの関係で、赤坂プリンスホテルの旧館に初めて足を踏み入れた。
赤プリには新館と別館と旧館があるんだけど、旧館はもー、作りがねぇ・・・。
建物の外側も中も昔のふるーい洋館なの。
赤い絨毯に由緒ありそうな内装、私なんかそこにいても格が違うって感じ。
新館は特にどうってことない普通の近代的なホテルなのにね。