小田蘭の今度の旅行先はシリア。
正式名称はシリア・アラブ共和国。
そう、中近東世界である。
休みも貰って飛行機も手配して、会社で行き先を聞かれて答える度に、やっぱり今回も驚きの反応が返ってくるのだった。
「危なくないんか?!」
普通に旅行する時の注意さえしてれば大丈夫ですよー。
「・・・・・・。なんや、どんどん危険そうなトコ行ってへんか?」
そんなに危ない国じゃないですって。
「シリアってどこや。何があるんや?」
そりゃー、もう。遺跡とか遺跡とか遺跡とか…、中近東の雰囲気がねー♪
「はぁ、またマニアックな・・・。そのうち本とか作れるんちゃうか? まぁ、ワシは買ったるけど、5人くらいしか買われへんで」
いや、あのー・・・。
本はもう自分で作ってたりして(笑)。
会社じゃ内緒にしてるけど。
「え? シチリア? ・・・じゃないよねぇ」
違いますー。
シチリアも興味あるけどね、今回は、シリア!
これから出発までの1ヶ月半、まだまだ苦笑されつついろんなこと言われそうだなぁ。
時々遊びに行く「旅の雑誌」掲示板。
ここには旅好きの人が沢山集っている。
ベトナムに行く時はいろいろな話が聞けて楽しかったなー。
なんか、私は旅に出る前後に出没する掲示板となっているのだけど、今回もまた「今度はバンコクとアンコール遺跡に行くぞー」とカキコに行ったら同じ様な時期にバンコクに行くという人がいた。
でもその人は5/22夜バンコク入り、私達は5/23午前中には空港へ向かって昼の飛行機でシェムレアプへ。入れ違いですねぇ。
そんなこんなで帰ってきて帰国の報告で掲示板に顔を出した。
おや、私達より先に帰国したその人のカキコ発見。
ん? 泊まったのは駅近くのあのホテル?
って、私達も泊まってたトコじゃーん。
もしや5/23の朝食の場にいたあの日本人は・・・。
と思って聞いてみればまーさーに、ビンゴ!
あるんだねぇ、こんなこと。
ゴールデンウィーク中の平日に申請したカンボジアのビザを受け取りに行く。
今回は私が一人で受け取りだ。
会社に行く前、大使館が開いてすぐに受け取るべく先日来た道を辿る。
時間ぴったり、9:00に大使館へ着くと丁度門番が門を開くところだった。
「グッモーニン」
「Good morning」
とお互いに挨拶をして門をくぐり、すぐ左手のビザ用の建物へ入ると窓口にはまだ誰もいなかった。
私が入ってきたのに気付いて奥から出てきたのはカンボジア人スタッフだ。
申請用紙を受け取りに来た友人の話によると、10:00になると日本人スタッフも出て来るらしい。
確かに3人分のパスポートを受け取りビザを確認する。
カンボジアのビザはスタンプである。
ちなみにベトナムのビザは現在シールをぺろんと貼る形式だ。
そして脇の机に置いてあったカンボジア語ポケット会話集を1冊買い求めることにした。
アンコールワットの遺跡を背景に写真を撮る観光客のイラストが表紙のこの冊子。
パスポートを少し大きくしたサイズで薄くて持ち運びに便利そうだけど、日本人観光客として描かれているのが「カメラとビデオをさげている、眼鏡をかけた髪の毛の薄い小太りの中年男性」。
ううむ、これが日本人のイメージなのか・・・。
更に中のイラスト脇についていた日本語訳。
「ここはどこですか?」
「おおきに」
かっ、関西弁ですか?!
本文中の対訳は「ありがとうございます」となっていたけれど、思わず会社でも見せてしまった。
どうせやるなら全編関西弁だったらおもろいのに(笑)。
カンボジア王国大使館は東京都港区赤坂にある。
最寄駅は地下鉄銀座線 or 半蔵門線「青山一丁目」。
4番出口を出て赤坂郵便局前の信号を右に曲がり、2つ目の信号で左に折れてアジア会館を通りすぎた左手に目指す大使館はあった。
瀟洒な邸宅といった感じの門には大使館の名前が書いてあるので分かりやすい。
ビザの申請は門を入ったすぐ左。
「VISA」と書いてあるからすぐ分かる。
料金は1通につき3500円。
同行の友人に事前に申請書を取って来てもらい必要事項は既に記入済み、直接申請に来れない友人の用紙もパスポートも揃っている。
それを提出すれば翌開館日以降に発行となる。
私達は某「歩き方」を見ながら申請書を作成したのだが・・・。
「すいません、こちらなんですけれど…」
「はい?」
「こちらの方と、この方ご本人はいらしてますか?」
「あ、小田は私です。もう一人はちょっと今日来れなかったんですが」
「そうですか。こちらにですね、会社名を記入していただきたいんです」
「え? ここですか?」
「はい。皆さんここに住所を書かれる方が多いんですけれど、会社名で結構なんですよ」
「そうなんですか? いや、ガイドブックの記入例には会社の住所とあったもので…」
ちなみにもう一人の友人は本業が漫画家アシスタントと説明が難しく面倒なので職業欄は「NO」。
その為に却って問題にならなかったのだ。
さぁ困った! 自分のは何の問題もないとして、みーちゃんの会社ーー?
最近転職した彼女の会社名を私達は知らなかった。
まず彼女のPHSに電話、仕事中なので当然切られていた。
自宅に電話、当たり前だが留守電だった。
他の友人の携帯に電話をするが、切っているか知らないとの返事。
頼みの綱の実家でも仕事先を知らないという・・・。
どんな家庭じゃーー!
「あの…、あなたの分しっかり書いていただいたので結構ですよ。大丈夫です」
「すっすいませんーー」
なんとか無事に申請は受付けてもらえたけれど、ここで受けて貰えなかったらまた平日に来なければならなかった。
いくら私でも立続けにフレックスや半休は厳しいものがあるだろう。
ビザの申請と受取は平日の9:00ー12:00と13:00ー15:00。
本日申請のビザは連休明けの5月8日以降、私が出社前にフレックスを利用して受取りに来る予定。ああ、会社が沿線で良かった。
旅行中は拙すぎるながらもいろんな場面で英語が必要になる。
まともに聞いたらめっちゃ恥ずかしくなるような、文法も何もあったもんじゃない英語。+ボディランゲージ。
それでもなんとか意図は通じる。
帰国の翌日、会社へ向かう地下鉄の中。平日なのに子供? と思ったら韓国系っぽい家族旅行者達だった。
次の駅で降りようとドアの前に移動しているところだったが、次は彼らが向いているのとは逆のドアが開くのだ。
ええーっと、次はこっちのドアが開きますよって何て言うんだー?
と考える間もなく、開くドアの方向を指して「Open this door」と声を掛けていた。
多分きっと、旅行直後じゃなかったらぐるぐる考えてるだけで終わっていただろう。
まだ旅行モードの頭だったのだ。
降りた後も笑顔で挨拶してくれた彼らを見てたら、なんかこっちまで嬉しくなった。
「今度どっか行くんやって、どこや?」
(元々が大阪本社の会社なもんで、関西弁の人が多い)
と聞かれて
「ベトナムです!」
と答える度に、苦笑や驚きの反応が返ってくるのは何故だろう。
いいよね、ベトナム。
ごはんも美味しそうだし、街もおもしろそうだしさ。
どうやら部内の人達とは興味の方向が違うらしい。
今日なんて「予防注射はいらんのか?」と言われてしまった・・・。
しなきゃ行けない国ではないぞ。
まぁ、手配も無事に進んだし、2/11ー17で行ってきます!
なんとか大仕事も終わりが見えてきた。
これが終わればベトナムだ!
さて、この私の年休消化と旅行状況から友人に不思議がられてしまう勤務先。
有難いと思ってます。
私以外にも同じ様な感じで旅行してる人は社内に何人かいるようで、他の事業部にいる同期の先輩は11月にイタリアへ一人旅、年末にはタイへ2人旅。
最近聞いた話だと、大阪のある人はやはり年に2ー3回秘境の旅へ。
どちらも女性。
どうやら旅行好きにはとても嬉しい会社らしい。